あけましておめでとうございます。皆さまにはご家族お揃いでお健やかに新たな年をお迎えのこととお慶び申しあげます。
さて、2023年はまさに激動の1年でありました。何よりもまず、局地的な豪雨や11月に夏日を記録する等これまでに経験したことのない異常気象に見舞われることが多数あり、特に激甚災害に指定される規模の大雨・台風が各地に甚大な被害を引き起こしました。被災された皆さまには心よりお見舞い申しあげます。
代表理事会長 寺下三郎
我々の社会を激変させた新型コロナウイルスについては、感染法上の取り扱いが2類から5類に引き下げられ、日常を取り戻しつつあります。その一方で、ロシア・ウクライナ情勢の悪化やパレスチナ問題の再燃、世界各地での洪水や干ばつ被害等、国際情勢も不安定化の一途をたどっており、グローバル化の進んだ現代では様々な分野に影響が出ています。我が国の食料需給にも甚大な影響を与え、農業生産者・消費者ともに大きな不安を感じることとなりました。
このような情勢の中、政府は「デフレ完全脱却のための総合経済対策~日本経済の新たなステージに向けて~」と題した大規模な経済対策を11月に発表、物価高対応や持続的賃上げ、国土強靭化等国民の安全・安心の確保等を掲げています。現にアフターコロナにおける経済活動の再開により、様々な産業において慢性的な人手不足が生じ、民間主導による賃金上昇がみられることからその経済対策の実現に期待が高まっています。
一方、同対策の安全・安心分野における「食料安全保障」の位置づけは、これだけ食料需給がひっ迫している中にあって大きな項目として表出することはなく、「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」等に沿うこととしてわずかに触れられるにとどまりました。食料安全保障のあり方については別途議論がなされているとはいえ、食は生命の基本、農業は国家の礎であるとの国民理解を一層広げていくことが喫緊の課題と認識しています。
この他農業を取り巻く情勢としては、食料の安定供給に向けた課題が明らかになったことを受け、本年には食料・農業・農村基本法が実に25年ぶりに改正されることから、我が国の農業にとって非常に大きな転換点となることが予想されます。JAグループでは、「令和5年度食料・農業・地域政策推進全国大会」、「JAグループ基本農政確立全国大会」を開催し、今後の力強い農業政策の確立に向けてJAグループの意思を結集するとともに、多数の国会議員をお招きしその意思をお伝えしました。
また、各都道府県段階において地元選出国会議員に対し、各種要請活動等を継続的に展開しております。本府におきましても、大阪府選出衆参両国会議員等への要請活動や大阪農業の取り組みについての対談の実施並びに府民理解醸成のための広報等、多岐にわたる農政活動を展開してまいりました。
本府農業の発展に向けては、「不断の自己改革の実践! 持続可能な大阪農業と地域共生をめざして」をテーマに、第25回JA大阪府大会で掲げた「Ⅰ.持続可能な大阪農業の振興」の具体的実践によりその振興に努めております。加えて、「Ⅱ.組合員・地域住民のJAへの参加・参画に向けた環境づくり」「Ⅲ.将来の環境変化を踏まえた経営基盤の確立」「Ⅳ.JAの組織・事業・経営を支え活躍する「人」づくり」「Ⅴ.広報活動の強化によるJAの魅力発信」の決議実践を通じ、食と農を基軸に地域に根差したより良い農業協同組合の運営を目指し取り組んでおります。
そして、2024年は第26回JA大阪府大会開催年であります。これまでの3年間の取り組みを総括したうえで、十分な議論を積みあげ、新たな時代に向けた明確な方針を策定する必要があります。JAグループ大阪の発展に向け、引き続きご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。