謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
組合員・府民の皆様にはお健やかに新たな年をお迎えのこととお慶び申しあげます。
さて、日本の農業を取りまく状況は依然厳しく、TPP11は昨年11月にベトナム・ダナンでの閣僚会合で新協定(包括的および先進的な環太平洋連携協定)の大筋合意が発表されました。乳製品向けの低関税輸入枠の縮小など、農業分野の見直しは行われませんでしたが、日米自由貿易協定(FTA)など米国復帰が見込めない場合に再協議できる新たな規定が設けられました。さらに、日欧EPA交渉は2019年の協定発効を目指して妥結を優先。農業分野の重要品目を含めて関税引き下げを容認することとされ、国産への影響が懸念されます。
農政面では、2018年産からの米の生産調整の見直しについての与党との対話集会で、JAグループが求める需要に応じた生産実現に向けた支援策について、現場の声を訴えました。都市農業関係では、昨年4月に生産緑地法の一部が改正され、面積要件が500㎡から300㎡以上となったこと、生産に必要な建物のみの建設が許されていたが、農家レストランや野菜の直売所などが設置できるようになったことなどの緩和策が取られています。間近に迫っている2022年問題では、膨大な生産緑地が宅地化され、不動産業者による開発で生産緑地が大幅に減少するのではとの懸念があり、引き続き府内農地の維持・農業継続が担保されるよう取り組みを進めてまいります。また、本年通常国会で生産緑地の所有者に対する優遇措置を拡充するため、相続税納税猶予措置や都市農地の貸借をしやすくする法案成立に向けて議論が進められています。
JAグループ大阪は、『地域農業の振興』『地域の活性化』『健全なJA経営』『府民理解の醸成に向けた広報活動』の実践に向け総力をあげて取り組んでいます。組合員・地域住民とともに都市農業・都市農地を守り、安全・安心な農産物を提供します。そして、皆様から「あって良かった」「地域に必要だ」と言っていただき、信頼され、安心してJA事業を利用していただけるよう最大限の努力を尽くします。
結びに、本年も皆様方にとって、ご健勝で素晴しい年でありますことを、心より祈念申しあげ新年のご挨拶といたします。